嗚呼エッセンシャルワーク~福祉のホンネ~車イス階段昇降(アームススタイル)

ARM’S ぶろぐ

どうも渡辺です

今回は、アームスのテッパンとも伝統とも言われて?おりました(なぜか過去形)車イスによる階段昇降について皆さんにご案内したいと思います。

はじめに、利用者さんが車イスに乗った状態で階段を昇降する際に一番気をつけたいのは、安全に、かつ、利用者さんへの負担をいかに少なく家や車両まで移動するかだと思います。介助者一名で対応している他所様もいらっしゃいますが、私たちアームスでは一名で「安心・信頼・感動」を提供することは困難という考えのもと、二名対応で車イスの階段昇降を行っております。対応する者が二人とも男性の場合、車イスを持ち上げて浮かせた状態で階段を昇降できる(している)ので、利用者さんにかかる負担や所要時間を軽減できますが、今回はあくまで通常といいますか、地面(階段)に車イスのタイヤが接地しながら行うやり方をご紹介します。

ステップ1(姿勢)
一人は車イスの背中側に立ち、ハンドルを持ちます。もう一人は利用者さんと向かい合う正面側に立ち、フットレスト・サポートのフレームを持って昇降します。(昇りも降りも基本同じ姿勢で行います)昇降中は車イスを少し上向きに角度をつけるようにします。これは、利用者さんが不安感を持ちにくくすること、重心をお尻のほうに集中させるようにするためのものです。
ハンドルを握る側が階段の上段側になりますが、その際、昇りでも降りでも下半身を少し斜めにずらすことがポイントです。これは、利用者さんの後頭部に介助者のヒザが当たってしまうのを防ぐため、介助者の腰の負荷を大きくしないことを目的としています。

ステップ2(昇り)
ハンドル側(上段側)の介助者は、自分の利き足を前に出し、グリップを握り、車イスのタイヤが階段の形に添うように引き上げていきます。腕力だけに集中せずに利き足に力を込めて踏ん張って上げることがポイントです。(大きなカブを引っこ抜くような?イメージです)足側の介助者は、車イスの角度をキープしつつ、上側の介助者の引き上げをサポートするかたちで力を添えます。(洋服をぎっしり詰めた引き出しをタンスに収めるような?イメージです)下側の人が力強く上げてしまうと、車イスのタイヤが階段の壁に当たる衝撃が強くなってしまうので、あくまで上側の介助者のサポートで力を添えるくらいに考えたほうが良いと思います。

ステップ3(降り)
昇りと同じになりますが、ハンドル側(上段側)の介助者は、利き足を踏ん張ることがポイントです。車イスのタイヤが着地する時になるべく衝撃が大きくならないように優しくそっと降ろしていきます。(高所恐怖症の人が崖の下に食べ終わった給食のトレーを恐る恐る置くような?イメージです)足側の介助者は、降ろし先に注意しつつ、角度のキープと着地の際の衝撃に注意を払い上側の介助者の動作をサポートします。

昇りにも降りにも共通しますが、車イスの角度はあまりつけ過ぎてしまうと、ハンドルが階段に当たってしまったり、上側の人の腕が伸びきってしまい力が入らないこと、利用者さんが天井しか見えず不安を抱きやすいことにつながりますので注意が必要です。

今回ご紹介したアームススタイルは、上段側の介助者にウェイトがかかりパワーバランスが傾きますが、逆に下段側の介助者をメインとして昇降するカタチもあると思います。いずれにしても二人の息が合う・合わせることがキーとなり、エレガントな昇降につながると思いますので、ベストなやり方を見つけてみてはいかがでしょうか。

Everyday good JOB!

次回は、布担架(布ストレッチャー)のご案内をしたいと思います。

 

 

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