新制度「家族支援加算」とは?「家庭連携加算」との違い ~「家族支援加算」の算定要件と支援方法!を解説します~

制度、加算のこと

アームス在宅支援センター 児童発達支援管理責任者の岸本です。

2024年の報酬改定により、これまで「家庭支援加算」として運用されていた制度が見直され、新たに「家族支援加算Ⅰ・Ⅱ」として再編されました。

この加算は、子ども本人への支援だけでなく、保護者やきょうだいを含めた“家族全体への相談・支援”を正式に評価した加算です。

支援の方法も、訪問・オンライン・グループ形式など、現場の実態に即した柔軟な手法が認められるようになりました。

では、旧制度との違いや家族支援加算の具体的な内容、現場での活かし方について、支援者の立場からわかりやすくお伝えしていきます。

新制度「家族支援加算」とは?

家族支援加算とは?家庭支援加算からの変更点と支援の広がり

 はじめに 〜家族支援加算の支援のかたち〜

2024年の報酬改定により、放課後等デイサービスではこれまでの「家庭支援加算」が見直され、新たに「家族支援加算Ⅰ・Ⅱ」として制度が再編されました。

従来の家庭支援加算では、主に保護者との個別相談や、事業所内での連携支援が評価の中心でした。

今回の改定では、家庭への訪問支援、複数家庭によるグループ相談、オンラインでの支援といった、実際の現場で日常的に行われている家庭支援の取り組みが、より柔軟に、明確に評価される仕組みとなりました。

児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準
・児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準(◆平成24年03月14日厚生労働省告示第122号)

 

家族支援加算の算定要件とは?

「家族支援加算」は、放課後等デイサービスにおいて、児童の保護者や家族(きょうだいを含む)に対して、相談援助や支援活動を行った場合に評価される加算です。

支援の内容による個別での相談支援「家族支援加算Ⅰ」とグループでの相談支援の「家族支援加算Ⅱ」の2つに分類されます。

家族支援加算Ⅰ(個別支援)

児童の家族に対して、1対1で行う相談援助が対象です。

方法 単位数(1回)
居宅訪問(1時間以上) 300単位
居宅訪問(1時間未満) 200単位
事業所での対面相談 100単位
オンライン相談 80単位
家族支援加算Ⅱ(グループ支援)

2~8家庭を対象とした、複数家庭によるグループ形式の相談支援が対象です。

方法 単位数(1回)
事業所での対面実施 80単位
オンライン実施 60単位
算定の条件(Ⅰ・Ⅱ共通)
  • 個別支援計画への記載があること

  • 保護者の事前同意があること

  • 原則30分以上の実施(特別な事情がある場合を除く)

  • オンライン支援はカメラONが原則

  • 加算Ⅰ・Ⅱは同日に各1回ずつ算定可能

  • 月4回まで(ⅠとⅡを合算して)

家族支援加算の「その他家族きょうだいを含む」とは?

制度説明の中には、「児童の保護者、その他家族(きょうだいを含む)」という記載があります。

この表現に疑問を感じる方も多いかもしれません。

結論としては、きょうだいを含む“家庭全体”への支援である場合、加算の対象になります。

 実際の記録例
  • 「保護者より、弟との関係について相談があり、関わり方の助言を行った」

  • 「保護者の希望により、きょうだいにも支援方針を説明し、家庭内の理解を深めた」

改定によるポイント整理

項目 旧:家庭支援加算 新:家族支援加算
名称 家庭支援加算 家族支援加算Ⅰ・Ⅱ
対象 保護者中心 保護者+きょうだいを含む家族
実施形態 主に事業所内 訪問・オンライン・グループ支援を含む
上限回数 月4回まで 月4回まで(Ⅰ・Ⅱ合算)

まとめ

家族支援加算は、家庭全体への包括的な支援を正式に評価する制度です。


保護者との対話やきょうだいへの配慮も含めて、子どもがより安心して過ごせる環境を家庭とともに整えていく支援が求められています。

この制度をきっかけに、「支援=子どもだけ」ではなく、
「家庭との関係性も支援の一部」として、より丁寧な関わりが広がることが期待されています。

 

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