レタスが教えてくれたこと

ヘルパー日記

 

訪問介護をしていると色んなことがあります。

そんなお話をさせていただきます。

徳丸です。

 

いつもの支援を「今日はいいわ」

と断られることもあれば、

時には「このヘルパーさんではなくて…」

と交代を求められることもあります。

そんな時は胸がギュッとしますが、

それも利用者さんの“正直な思い”。

決して失敗ではなく、

“声を出せる関係”になっている証拠だと、

今では思うようにしています。

 

本音を伝えてくださったあの日

以前、私が計画書に沿って支援していた頃、

ある利用者さんが勇気を出して

本音を伝えてくださいました。

「あなたはきちんとしているけど、

なんだか上から言われているみたいに感じるのよ」

ハッとしました。

正しくやることばかりに気を取られて、

伝え方や表情に柔らかさを欠いていたのだと

気づかされた瞬間でした。

 

一方で、思いがけず喜んでいただけた出来事もあります。

ある時「レタスを半分買ってきて」

と頼まれました。

理由は「無駄を避けたいから」。

なるほどと思いつつスーパーへ行ったのですが、

半分にカットされたレタスの切り口が

赤く変色していて、

どうしても勧められない状態でした。

迷った末に、丸ごと1個を買って行きました。

内心ドキドキしながら、

「切り口が赤くなっていたので

結局その部分を切り落とすなら

美味しいところを選んで

召し上がっていただきたくて…」

と伝えました。

すると、その方はにっこり笑って、

「そういう心遣いが嬉しいのよ」

と言ってくださいました。

 

依頼通りにすることはもちろん大切。

でも、そこに

“相手の思いをくんだ工夫“や

“言葉を添える心“があると

失敗しかけたことが、

思わぬ成功になるんだなぁと感じました。

 

訪問介護は、人と人とのやり取り。

断られることもあれば、

喜んでいただけることもあります。

でもどちらも共通しているのは、

“その方の思いに耳を傾けること”

が大切だということ。

失敗しかけた出来事が、

心温まるエピソードに変わるのも、

結局は

「相手の立場に立って考えられたかどうか」

なんだと思います。

 

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