髙栁デス。
「もうちょっとだけがんばって
みようと思ったんですけど…。」
そう言って静かにユニフォームを返された日。
引き止めたい気持ちをこらえながら
「お疲れさまでした」と言うしかなかった。
ヘルパーが辞める理由は
決してひとつではありません。
でも話を聞いているとその裏には
我慢や孤独が見え隠れしています。
■ 理由1:ひとりの重圧
訪問介護は「ひとり」でお宅に入る仕事。
判断も対応も、基本的に自分ひとりで行う。
慣れるまでは不安、慣れてきてもミスが怖い。
誰かにその場で相談できないことが
じわじわと心を削っていくのです。
■ 理由2:利用者との相性・対応の難しさ
「悪気はない」それでも傷つく言葉がある。
何度説明しても怒られてしまったり、
プライベートなことに踏み込まれたり…。
過酷な重労働介助、体力の限界。
果たしてヘルパーがやる支援なのか。
人との距離感が近い仕事だからこそ
精神的な負担が積もっていきます。
■ 理由3:給料と負担のバランス
「責任が重く精神、体力すり減らし
でも仕事量は増える一方」
移動も多い訪問介護は
時間単価のわりに生活が安定しづらい。
それなのに求められるのは“プロの対応”。
がんばりたい気持ちがあっても
「生活が成り立たない」
「時間内で仕事が終わらない」
「正解がわからない」と
感じる瞬間があります。
■ 理由4:人手不足の連鎖
誰かが辞めると
その分の負担が他のヘルパーにまわる。
その結果、余裕がなくなりミスが増え
「もう無理かもしれない」と
感じる人がまた一人辞めていく──
そんな負の連鎖が起きてしまうことも。
■ ■ 「辞めたい」と言える空気はある?
「辞めたい」と言ったら迷惑かけるかも。
「頑張りが足りない」と言われるかも。
そう思ってぎりぎりまで
我慢してしまう人も多いです。
だからこそ日頃から“辞めたくなる前”の
サインに気づける関係性が
大切なのだと思います。
■ 最後に
ヘルパーという仕事は
誰にでもできる仕事じゃない。
でも誰かの「当たり前の生活」を
支えているかけがえのない仕事です。
「辞める人が悪い」のではなく
「辞めたくなる理由」が
そこにあるということを
もっと見つめていきたい。
2025 7月14日