髙栁です
夏の訪問介護。
玄関を開けた瞬間ムワッとした熱気と
利用者さんの笑顔
一瞬で汗がにじむ。
でも、なぜかその暑さを
忘れさせてくれるような
「ありがとう」が、そこにある。
この季節、私たちの制服はすぐに
汗でびしょびしょになる。
だけど、それだけじゃない。
そのシャツには誰かの不安を受け止めた時間や
そっと手を差し伸べた優しさが染み込んでいる。
訪問先ではクーラーが
ついていないお宅もある。
「電気代がね…」と遠慮する高齢者の横で
私は黙って扇風機を回す。
冷たいお茶を出してくれるその手にも
気遣いがにじんでいて
支えてるつもりが、
支えられていると感じる瞬間がある。
「大変ねぇ」「暑いのにごめんね」
そんな一言に救われることも多い。
夏は体力も気力も奪われるけど
それ以上に心に残る場面がたくさんある。
利用者さんの「今日もありがとう」
その言葉の重さが
この汗まみれの制服に
もうひとつの意味を与えてくれる。
今日も私は、この制服を着て外に出る。
暑くても、重くても、それでもやっぱり――
「この仕事が好きだ」と思える日が、ちゃんとある。
2025 8月4日