「あなたは障害者なの?」
〜やまなみ工房から教えてもらっとこと〜
こんにちは徳丸デス
先日、やまなみ工房の動画を見ました。
やまなみ工房とは
滋賀県の加賀市にあるアートセンター&福祉施設です。
そこで感じた事を書かせていただきます。
最初は、利用者さんたちが生み出す作品の
独創性や迫力に目を奪われていました。
でも、見終わる頃には、
作品以上に心を揺さぶられていたのは、
施設長の山下さんをはじめ、
スタッフの皆さんと利用者さんとの関係性でした。
そこには、
「支援する人」と
「支援される人」という
関係を超えた、深い信頼関係がありました。
印象的だったのは、
施設長の山下さんのお話です。
ある時、利用者さんにこんなことを尋ねたそうです。
「障害者、障害者って言われるけど、
あなたは障害者なの?」
すると、その方は迷うことなく答えました。
「違うよ。田中のりこだよ。
大好きなお父さんとお母さんに
産んでもらった田中のりこだよ。」
……参りました。
動画を見ながら、何度も泣きそうになりました。
福祉の仕事を長くやってきたつもりでした。
でも私は、いつの間にか
「障害者」「利用者さん」
という言葉の中に、
その人を入れてしまっていたのかもしれません。
私が毎日お会いしている利用者さんも、
本当は誰かの大切な息子さんであり、
娘さんであり、
お父さんであり、
お母さんです。
好き嫌いがあって、
譲れないこだわりがあって、
時には意地を張ったり、
甘えたりもする。
嬉しいことも、悲しいことも経験しながら、
その人だけの人生を歩んできた一人の人です。
そして、もう一つ感動したことがあります。
施設長の山下さんやスタッフの皆さんは、
「利用者さんを支えてきた」と語るのではなく、
むしろ利用者さんたちから、
人として大切なことを教えてもらってきたと
話されていました。
周囲の目を気にしながら生きる私たち。
失敗を恐れ、
空気を読み、
時には本当の自分を隠してしまう私たち。
そんな中で、利用者さんたちは、
自分の好きなことに夢中になり、
自分の世界を大切にしながら生きています。
誰かと比べることなく、
評価を求めることなく、
ただ純粋に「好き」を表現する。
その姿は、とても強く、美しく見えました。
だからでしょうか。
私には、やまなみ工房にいる人たちが、
みんな幸せそうに見えました。
もちろん、生きていれば大変なこともあるでしょう。
苦しい日もあるでしょう。
でも、あの場所には、
「このままの自分でいていい」という
安心感が流れているように感じました。
誰かの期待に応え続けるためではなく、
誰かと比べるためでもなく、
自分のままでいられる……。
そして、
その姿を周りの人たちが急かすことなく、
否定することなく、
当たり前のように受け止めている。
私は、それが幸せなのではないかと思いました。
訪問介護の現場でも、
私たちはつい「利用者さん」という言葉で
人を括ってしまうことがあります。
でも、その方は「利用者さん」である前に、
一人の名前を持ち、
大切な人に愛されて生まれてきた、
かけがえのない存在です。
福祉の仕事は、
誰かを変える仕事ではなく、
その人の中にある輝きを信じる仕事なのかもしれません。
そして時には、支援する側こそが、
目の前の人から
「自分らしく生きること」や
「ぶれない心」を
教えてもらっているのだと思います。
私は訪問介護という小さな現場で働いています。
やまなみ工房のような大きな表現の場はつくれません。
でも、目の前にいるその人を、
「利用者さん」ではなく、
一人の名前を持ったかけがえのない人として
見続けることならできるかもしれません。
そして、その人らしく笑える時間を少しでも増やせたら、それはきっと私にとっても幸せな支援なのだと思います。


