利用者さんに教えてもらった暮らしの知恵
~支援するつもりが、教わっていたこと~
こんにちは 徳丸です。
訪問介護の仕事をしていると、
私たちは「支援する側」と
思われることが多いかもしれません。
でも長くこの仕事を続けてきて感じるのは、
利用者さんから教えていただくことの多さです。
先日、「なるほど」と思うことがありました。
ある利用者さんは、
エアコンの室外機から出る排水ホースを
4Lのペットボトルに差し込み、
水をためていました。
「庭の水やりに使うんだよ。」
それだけでも十分すごい工夫ですが、
さらに理由を聞くと、
「ホースの先が水につかるから、
虫も入りにくいんだ。」
水を無駄にしないだけでなく、
害虫対策にもなる。
ひとつの工夫で二つの役割を果たしていることに、
「なるほど」と感心しました。
また別の利用者さんは、
給湯器のお湯が出るまでの冷たい水を
バケツにため、洗濯や掃除に使っていました。
「まだ使えるものは、最後まで使う。」
そんな考え方が、
毎日の暮らしの中に自然と息づいていました。
そういえば、こんな出来事もありました。
ある日、「ちょっと庭を見ていきな」
と声をかけられました。
そこには立派な冬瓜が実っていました。
「生ごみを土に混ぜていたら育ってたんだよ。」
誇らしそうに話す利用者さんの笑顔が、
とても印象に残っています。
捨てるはずだったものが土に返り、
新しい命を育てる。
昔の暮らしには、
そんな循環が当たり前のようにありました。
今は便利な時代です。
だからこそ、「もったいない」
という気持ちや、
物を大切に使い切る知恵を
忘れがちなのかもしれません。
利用者さんの暮らしには、
教科書には載っていない知恵があります。
生活を豊かにする工夫。
自然と共に暮らす知恵。
そして、長い人生の中で積み重ねてきた経験。
介護は、
「できないことを支える仕事」
だけではありません。
介護は、生活を支える仕事です。
だからこそ、
生活の知恵を持っている利用者さんは、
私たちの先生でもあります。
その方が大切にしてきた暮らしや
価値観に触れ、
私たち自身が学ばせていただく
仕事でもあると思います。
訪問のたびに、
「今日は何を教えていただけるだろう」と
思えることがあります。
支援する側でありながら、
教えられる側でもある。
そんな毎日だからこそ、
この仕事は奥が深く、
面白いのだと感じています。

