徳丸です
「ノーマライゼーション」という言葉は、
少し難しく聞こえるけれど、
誰もが自分らしく暮らせるように──という、
やさしい願いが込められています。
最近、その言葉を思い出すような出来事がありました。
移動支援で利用者さんと美容室に行った時のこと。
洗髪のたびに背中がびっしょり濡れてしまうんです。
私は内心、「他の美容室に行けたらいいのに」
と思っていました。
でも、ご本人は
「ここがいいの」
と笑っておられます。
遠くの美容室や
お客さんの多い場所には行きづらい──
そんな中で、
“自分にとって一番落ち着ける場所”
を選んでいたんだと気づきました。
我慢しているのではなく、
ちゃんと自分のペースで、
「ここが自分の居場所」
と決めておられたのです。
それを理解できた時、
少し胸が温かくなりました。
もうひとつは、事務所のモニター越しに見た
放課後デイの光景です。
高校生の女の子が、
小さな子たちに優しく声をかけていました。
一緒に遊びながら、
さりげなく手を貸したり、
笑い合ったり、
抱っこしてあげてたり
普段は中学生の男の子たちに
手厳しい一面もあるその子が、
小さな子を抱っこしてあげたりしている姿に、
思わずじーんとしました。
人って、誰の中にもやさしさがちゃんとあるんですね。
その瞬間を見た時、
胸の奥がじんわり温かくなりました。
ノーマライゼーションって、
特別な取り組みのことではなくて、
こうした日常の中にすでに息づいているのかもしれません。
「これでいい」
「このままで大丈夫」
「強制ではなく」
「できることをする」
そう思える関係が増えていけば、
きっと世界はもう少しやさしくなるんだと思います。