岸本です。
生活力、人間力、そして丁寧な暮らしの積み重ね。
秩父の山あいにある全寮制の特別支援学校を訪れ、心が整うような時間を過ごしました。
埼玉県秩父市にある全寮制の特別支援学校に見学へ。
見学は事前予約制。案内に記載されたアクセスをもとにナビを設定しましたが、
まさかの山越えルート。
道路工事の影響でしょうか?
ナビは3〜4の峠越えルートを案内し、急勾配の細道をひたすら進むことに…。
片道3時間弱、予想外に過酷な道のりとなりました。
ようやく到着したその場所には、築80年というレトロな校舎がたたずんでいました。
案内してくださったのは、温かく迎えてくださった教頭先生。
ここは「生活力」を育てることを中心に学びを進める学校です。
印象的だったのは、古い校舎にもかかわらずピカピカの廊下。
「先生、廊下すごくきれいですね」と声をかけると、
「子どもたちに伝えます、喜びますよ。雑巾がけを毎日続けているんです。
最初はできなかった子も、今ではみんな出来るようになりました」とのお話。
学校のホームページにも掲げられていた理念、
「物事に全力で取り組み、最後までやり抜く力」
「強くて、しなやかで、疲れにくく、疲れの取りやすい体を育てる」
この言葉どおり、
人として社会で生きていくための基礎を丁寧に育てている学校だと感じました。
先生方は穏やかで優しく、
生徒たちのあいさつもはっきりと気持ちよく
本当に素晴らしい環境でした。
以下、教えていただいた一日の流れを簡単にご紹介します。
■一日の生活の一例
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6:00 起床
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6:30 朝マラソン(30分)
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7:00 シャワー・整容
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7:30 朝食(厨房で調理を学ぶ生徒も)
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8:30 活動・作業(洗濯物干し・盛り付け・刺し子など)
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毎日日記記入、先生による手書き添削あり
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21:00 就寝(自然とぐっすり)
また、印象深かった取り組みのひとつが夜尿症への対応。
オムツには頼らず、夜間23時頃に先生がトイレ誘導。
生徒が一人になることはなく、常に誰かの見守りがある安心感の中で暮らしています。
さらに先生が笑いながら話してくださったエピソード——
「今時、白のBVDブリーフなんて履かないでしょ?でも白い下着って汚れが見えるんですよ」
これも、自分で“揉み洗い”をし、清潔を保つ力を育てるため。
柄モノでは見逃してしまう汚れも、白なら気づけるという合理的な理由でした。
年間行事も、日頃の生活と体力づくりの積み重ねが活かされる内容ばかりとのこと。
私自身、支援者としてとても学びの多い時間となりました。
今度は文化祭や体育祭にも足を運んでみたいと思います。
少人数制のこの学校だからこそ、学年を越えて
「みんなで行動する力」も自然と身につくのだと実感しました。
最後に、今回ご案内くださった教頭先生、そして明るく元気に挨拶してくれた生徒さんたちへ、
心から感謝申し上げます。
またお会いできる日を楽しみにしております。