第4回 介護保険と障害福祉では、何が違うの?

ヘルパー日記

第4回

介護保険と障害福祉では、何が違うの?

徳丸です。

 

ここまで3回にわたって、
「処遇改善加算って何?」
「実際にどうやって職員の処遇を改善するの?」
「事業所が処遇改善加算を取得するには?」
についてお話ししてきました。

今回は、その続き。

私たちの会社では、介護保険のサービスも障害福祉のサービスも行っています。

そこで、ふと疑問に思うことがあります。

「介護保険にも処遇改善加算があって、障害福祉にもある。
じゃあ、何が違うの?」

名前もよく似ていますよね。

実は、ここを理解するには、まず
「介護保険と障害福祉そのものが、別の制度である」
というところから考えると分かりやすいんです。

そもそも、介護保険と障害福祉は別の制度

介護保険は、介護が必要になった高齢者などを社会全体で支えるための制度です。

一方、障害福祉は、障害のある方が地域で生活し、社会の中でその人らしく暮らしていくことを支える制度です。

もちろん、実際の現場では、

「身体介護をする」
「掃除や買い物を手伝う」
「その人の生活を支える」

など、似ている支援もあります。

でも、

「誰を、どのような考え方で支える制度なのか」

という土台が違います。

だから、処遇改善加算も別々です

ここが今回、一番お伝えしたいところです。

介護保険のサービスには、

「介護職員等処遇改善加算」

があります。

そして障害福祉のサービスには、

「福祉・介護職員等処遇改善加算」

があります。

つまり、

介護保険

介護保険制度
↓
介護サービスの報酬
↓
介護職員等処遇改善加算

障害福祉

障害福祉制度
↓
障害福祉サービス等の報酬
↓
福祉・介護職員等処遇改善加算

という関係です。

「処遇改善」という目的は同じでも、
その加算が組み込まれている制度が違う。

これが一番分かりやすい違いだと思います。

厚生労働省も、

介護については介護職員等処遇改善加算、

障害福祉については福祉・介護職員等処遇改善加算として、それぞれ別に制度を案内しています。 

同じ会社でも「別の道」を通ってくる

例えば、私たちのように、ひとつの会社で介護保険と障害福祉の両方を扱っている場合。

同じ職員が訪問に行っていても、

介護保険の利用者さんへのサービスなのか

障害福祉の利用者さんへのサービスなのか

によって、請求の根拠となる制度が変わります。

イメージとしては、

介護保険のサービス
↓
介護保険から事業所に入る報酬
↓
その中に処遇改善加算

そして、

障害福祉のサービス
↓
障害福祉から事業所に入る報酬
↓
その中に処遇改善加算

という感じです。

だから、

「同じ会社だから、処遇改善も全部一緒」ではない。

それぞれの制度に沿って、算定することになります。

では、処遇改善の中身も同じなの?

ここが、もう一つ大切なところです。

基本的な考え方は共通しています。

「そこで働く人の賃金や職場環境を良くして、人材を確保していこう」

ということです。

ただし、加算率や対象となるサービス、対象となる職種、取得のための要件などは、それぞれの制度によって違います。

そして、ここは今まさに変化しているところでもあります。

令和8年度、障害福祉の処遇改善が大きく変わりました

令和8年度の障害福祉では、処遇改善加算の対象が大きく広がりました。

これまでは主に、ホームヘルパーや生活支援員など、直接支援を行う「福祉・介護職員」が中心でした。

それが令和8年度からは、相談支援専門員、サービス管理責任者、リハビリ職、看護職員、事務員、調理員など、幅広い障害福祉従事者が対象となる仕組みになりました。 

さらに、これまで処遇改善加算の対象外だった計画相談支援、障害児相談支援、地域相談支援にも、令和8年度から処遇改善加算が新設されています。 

これは、障害福祉の現場で働く人にとっては、大きな変化ですよね。

つまり、こういうこと

難しく考えずにまとめると……

介護保険と障害福祉は、そもそも別の制度。

↓

だから、サービスの報酬も別。

↓

その報酬の中に、それぞれの制度に合わせた処遇改善加算がある。

↓

そして、その加算によって、職員の賃金や職場環境の改善を進めていく。

こんな関係です。

「処遇改善加算」は、誰かがポンとくれるお金ではありません

ここも、第1回から読んでくださっている方には、ぜひ覚えておいてほしいところです。

処遇改善加算は、

「国から事業所に、職員のためのお金がプレゼントされる」

という単純なものではありません。

事業所が一定の要件を満たして申請し、サービスを提供することで報酬に加算され、その加算額をもとに賃金改善などを行っていく仕組みです。

だからこそ、事業所には計画や実績の報告なども必要になります。

第3回でお話しした「事業所が処遇改善加算を取得するには?」という話にも、ここでつながってきます。

制度は違っても、目指しているところは同じ

介護保険と障害福祉。

制度は違います。

仕組みも、対象となる人も、サービスも違います。

でも、現場にいる私たちからすると、

「その人が、その人らしく生活できるように支える」

という部分には、共通するものがたくさんあります。

そして、その生活を支える私たち自身も、

安心して働き続けられることが大切です。

働く人が疲れ切ってしまえば、利用者さんへの支援を続けることも難しくなってしまいます。

だから処遇改善は、

「職員の給料を上げるためだけのもの」ではなく、
介護や福祉の仕事をこれからも続けていくための仕組み

でもあるのだと思います。

おわりに

今回、調べながら私自身も、

「介護保険と障害福祉って、似ているようで、やっぱり土台が違うんだな」

と改めて感じました。

制度の名前や加算の数字を覚えるのは、正直ちょっと大変です😅

でも、

「これは介護保険の話」
「これは障害福祉の話」

と、まず大きな箱を分けて考える。

それだけでも、ずいぶん分かりやすくなります。

処遇改善加算についても、細かな数字は制度改正で変わっていきます。

だから私は、数字を全部覚えるより、

「何のための制度なのか」

を知っておくことの方が大切なのではないかな、と思っています😊

 


 

🌿 厚生労働省の情報

介護の処遇改善については、厚生労働省の「介護職員の処遇改善」ページで、令和8年度の計画書や実績報告書などが案内されています。 

障害福祉についても、令和8年度の報酬改定の中で処遇改善加算の拡充が案内されています。 

タイトルとURLをコピーしました