嗚呼エッセンシャルワーク～福祉のホンネ～お蔭様の心

どうも渡辺です

先日高速道路を使ってちょっと遠くまで介護タクシーしてきました。

乗車されたご利用者様はリピーターの方で体をなるべく揺らさないようケアが必要なのですが、向かっているさなか、高速にもかかわらず路面がガタガタな箇所があり「こんな時にかぎって何だかなぁ」と利用者さんの様子をルームミラーで確認しながら目的地までたどり着きました。

今思えば、普段路面の不具合をそこまで気に留めて走っていないくせにケアが必要な利用者さんを乗せてタクシーした途端、ガタガタな路面にケチをつけたくなってしまう自分に我ながら「やれやれ」といった感じです。やはり世間一般よく言われるように、自分がその立場になって初めて気づく…相手や周りの目線に立った時にようやく気づかされることってたくさんありますね。

車椅子に実際に乗ってみれば障害物の多さや路面の悪さを実感できますし、自転車や看板が点字ブロックを途切れさせていることも目が不自由でなければそれほど怪訝に思えないかもしれません。高速道路の路面が平らなのも誰かがそれを維持してくれているおかげなわけで、普通に走行できることはあたりまえのことではないんですよね…人生の苦しみ・辛い経験を積み重ねないとビールが美味しく感じられなかったり、家の外でタバコを吸ってすぐさま家に戻れば「臭いっ！」「クサイ！」と鬼の形相で怒鳴られたりと（視界には映らなくても匂いは過敏に分かるようです）自分目線・自分の立ち位置だけ考えていては周りをハッピーにはできません。日頃代表から「視野をひろく持つように」と言われているのにもかかわらず、考えが一方通行になりがちでふがいないかぎりです。

話が逸れてしまうかもしれませんが、「ドラえもん」に登場するジャイアンの名セリフ ” おまえのものは俺のもの、俺のものもおれのもの ” ってご存じでしょうか？…傲慢で自己顕示の象徴のようなジャイアンの代名詞といったセリフですが、実はこのセリフ、のび太が入学式の日に遅刻したり迷子になったり様々なハプニングにみまわれたりして、しまいには自分のランドセルまで失くしてしまったことを不便？に思ったジャイアンが、懸命にのび太を探したり必死にやっとの思いでランドセルを見つけたりしたことにのび太が ” ありがとうどうしてそこまでしてくれたの？ ” という問いにジャイアンが答えたセリフなんだそうです。…友達のものも自分のもののように大事にするのが当然、人の痛み、周りの想いも自分の痛みのように感じ、人のために全力を尽くすという想いに満ちた言葉らしいです（解釈には諸説あるようですが）…ジャイアンってたまにいい奴なんですよね。

仕事でもプライベートでも愚痴や文句ばかりが先行し、不満しか出てこないようでは視野のひろがりはおろか、自己主張・自己顕示ばかりのSNS社会のように自己都合の薄っぺらい狭い世の中を生きてしまうような気がします。
ジャイアンではありませんが、男気も女気も持ち合わせているような…今ではなかなか聞かれない「おかげさま」という想いをもった管理者（人）でありたいなと思います。
こんなことを綴ってしまうのも歳のせいなんでしょうか。